2005年1月15日

岡崎京子、絲山秋子、袋小路の男、ブンガクの逆襲

岡崎京子の漫画が好きです。
リバーズエッジ、pink、etc.etc.
彼女が世に出た時、コミックは文学を越えた、と言われた。
確かに。はるかに越えていた、と思う。
もう日本のブンガクは死んだかに思えた。
村上春樹と村上龍だけが孤独な戦いを続けていた。

しかーし、最近ブンガクの逆襲が始まっているようなのだ。
新しいipod shuffle欲しいなあ、とか言ってる場合じゃないのである。
欲しいけど。。。
ともかく、いつのまにか日本の書店には、とても読み切れないほどのおんもしろい本が山積みになっている。
ビジュアル系の綿矢ちゃんから、不思議ちゃん系川上弘美、角田光代(祝直木賞受賞!!)、吉田修一、女性作家を中心に若手・中堅の台頭が著しい。
言うまでもなく、日本のミステリー小説はもはや世界屈指のレベルである。
それに、ありとあらゆる古典的名作はBOOK OFFでわずか100円で買える。
何ともありがたい時代になった。PSPとかやってる場合じゃないのである。
いや、ホントに。

今年ブレイクするであろう作家の筆頭は絲山秋子に勝手に決定!
心の奥底に易々と侵入してくる不思議な文体が好きです。
ホームページを覗いたら想像していた通りの人のように思えて、なんだか嬉しくなった。
デビュー作「イッツ・オンリー・トーク」収録の「第七障害」、自身の乗馬ミスにより愛馬を安楽死させる結果となった過去に悩む主人公の女性が、ラストで再生のきっかけをつかむ場所は群馬の野反湖。
この世の終わりのような、世界の始まりのような、あまりにも美しい場所です。
この湖畔に一人でキャンプに行った時は、あまりの美しさとあまりの寒さに死ぬかと思いましたよ。
この湖を重要なモチーフに選んだということで、ますますこの作家が好きになりました。

袋小路にある家に住む、人生の袋小路に追いつめられた男と彼を一途に思い続ける女の物語、「袋小路の男」はせつなーい純愛短編集、今すぐ買うべし。
本って、ベストセラーになるとなぜだか恥ずかしくて買いづらくなるから。
でも、あれって何でだろう?
流行の映画に並んでも別に恥ずかしいとは感じないのに....
(ぼくは「いま、会いにゆきます」が今さら書店で買えなくて、amazonで先日やっと購入しました。。。)

絲山秋子の次作は2/25発売で、今から楽しみにしている。
タイトルは「逃亡くそたわけ」。
セカチュー風に略すると「トークソ」。
ありえねぇー!
コーラが好きだから付けたというペンネーム「山崎ナオコーラ」と同じくらい、ありえねぇー!!

あー、でも早く読みたい!!!

投稿者 かえる : 01:37 |

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