2005年2月24日
いのちの食べかた、とお気に入りブログ
最近読んでおもしろかった本に森達也の「いのちの食べかた」というのがある。
ぼくはこの人のことを、好きな作家である田口ランディのエッセイで知った。彼の問題提起とその言説にはいつもハッとさせられる。
理論社が企画している中学生に向けたよりみちパン!セシリーズの一冊である。
たいていの人は肉を食べる。スーパーや肉屋で精肉を買う。
その肉はもともと一頭の牛や豚であることも知っている。
でも一頭の牛や豚がどのような作業を経て発泡スチロールのパックに入るのか、誰がそのような作業をしているのか、そこにはどのような歴史的背景があるのか、どこでその作業はおこなわれているのか、そんなことを具体的に知っている人はほとんどいない。
もちろんぼくもほとんど何も知らなかった。
この本では、と場で具体的にどうやって解体作業がされるのかを克明に描写し、その作業がなぜ「穢れ」という概念と結びついたかを歴史的にひもとき、「いのちを食べるということ」に触れ、やがて部落差別をはじめとする世界に存在するあらゆる差別やいつまでたっても無くならない戦争といった問題の本質へといきつく。
(そのような世界の様々な問題の報道に尻込みする)メディアの罪を自戒をこめて告発し、(しかし)その本当の犯人が誰なのかを暴いてみせる。
その犯人は誰か?
もちろん、君やぼく、大衆である。
でもこの本で一番重要だとぼくが思うのは、物事の見方について示唆している点だ。
誰かが体験した事実は、誰かに伝えられる時点で、すでに事実じゃない
物事に絶対的な事実や正確な描写は存在せず、様々な視点とそれによる多様な情報があるだけである、ということだろう。
当たり前のことだけど、忘れがちなことである。
ホリエモンが言うようにメディア(もちろん個人も、このサイトなんてその典型)の情報は常にバイアスがかかっている。
それは嘘ではないが、物事の真実を伝えているわけではない、ある見方を提示しているだけだ。
特定の人物やメディアの情報を鵜呑みにしたり信奉したりするのは、判断を誤る可能性が高く危険だ。
可能なら自分の目で見て、自分の頭で判断する、ことが大切だと繰り返し彼は訴える。
誰かの見解を疑えということではない、それも一つの物事の見方に過ぎない、という意識が大切なのだ、と。
もちろんそれでも「知る」ことが前提となる。
多様な情報に触れる必要があるわけです。
滅茶苦茶前置きが長くなってしまいました。今日はよくチェックしているブログの紹介がしたかっただけだったのに............
我々が自分ではなかなか経験することの出来ないプロフェッショナルな現場からの情報は、大変興味深くためになります。
獣医さんが運営するブログ
のまた犬猫病院
ペットポータル
ラブのブリーダーさんが運営するブログ
ATERUI LABRADORS
そうそうアリアママ、こっそりブログ始めたりしちゃだめじゃないかー!
派手にやらないと、派手に!!
ブログ開設おめでとね。
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mbt kabisa : 2014年12月8日 15:21
コメント
かえるさ〜ん、(笑)ありがとうございます!!
昨日までブログって何?だった私が1日中パソコンと向き合って開設したので、できたころにはヘトヘト…、地味に開設の運びとなりました^^;
ちなみにさっきは、トラックバック???と頭がこんがらがりました(笑)
投稿者 アリアママ : 2005年2月24日 08:37
アリアママ、ブログ開設お疲れさまでした。
こんがらがりながら、派手に続けてくださいね\(^0^)/
投稿者 かえる : 2005年2月24日 08:48