2006年2月23日
へんないきもの、その名はイヌ
今朝の新聞を見ていたら、天野祐吉さんが「へんないきもの」という本のこと(正確にはそのCM)をとりあげていたので、興味をもった。
そういえば、そんな本がベストセラーになったっけ。
この本は、「いったいぜんたい神は何を思ってこのような生物をお作りになったのか!?」と首をかしげたくなるような「へんてこないきもの」たちをクールな文章とリアルなイラストで紹介したものである。
そして、その続編「またまたへんないきもの」には、「目から血を噴くトカゲ」「凍結するカエル」といった「いったいぜんたい神は....」という生物のなかに「イヌ」が登場するのである。
イヌ?犬??そんなに珍しいか???
今、ぼくの足下で大イビキをかいているコイツが?!?!
さて、その理由は?
「変な生き物は?」という問いを、もし動物たちにしたならば、いっせいに「イヌ」という声がかえってくるに違いない。
4000年以上も前から人間に忠実に仕え、300種類にも品種改良された上に狩猟や牧羊から警護、捜査までこなし、挙げ句に飼い主とフリスビーまでやるに至っては、多くの生物はあきれて肩をすくめるだろう、ということなのである。
そういえば数ヶ月前に、各犬種間のDNA上の差異は人間で言えば個性程度のものである、という報道があった。
そうイヌはイヌ、理論上はチワワとセント・バーナードだって子供が作れるはずなのである。
これほど人間の望むままに自らの肉体と精神を自在に変容させた生物はいない。
極めつけの「へんないきもの」なのである、イヌは。
ちなみに、この本の「イヌ」の紹介ページのタイトルは「遠吠えは聞こえない」。
哀しいオチを読み終えた時にその理由はわかります。
「いい人に拾われな、ネ」といって「自然に帰され」たイヌは、いい人の代わりに捕獲巡回車に拾われ、「動物管理センター」に送られる。そしてこれらの「不要犬」は動物愛護法18条、狂犬病予防法6条により、麻袋に詰められ、「ドリームボックス」と呼ばれるガス室で殺処分される。その数は全国で年間16万頭に及ぶ。
多くの犬は、飼い主に再会することなくガス室で死を迎える。致死濃度に達した炭酸ガスで絶命する刹那、この馬鹿がつくほど正直な動物の脳裏に浮かぶのは、飼い主の笑顔なのかもしれない。
やっぱり「へんないきもの」だね、おまえたちは。
いったいぜんたい神は何を思って.............
「またまたへんないきもの」 早川 いくを (著), 寺西 晃
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