2006年3月21日
モーターサイクル・ダイアリーズ
ロバート・レッドフォードが製作する映画は、どれもおもしろい。
本作のDVD収録インタビューで語っているように「(映画作家は)世の中に何か伝えたいことがあるならば、人々が楽しめる映画を通して伝えるべきだ」という姿勢が好きです。
製作総指揮でクレジットされている「モーターサイクルダイアリーズ」もまた、素晴らしい映画だった。
キューバ革命の英雄、伝説的な革命家であり時代のイコン「チェ・ゲバラ」が20代前半の頃行った、南米大陸縦断の大旅行を描いた青春ロードムービーである。
Tシャツでよく見かける革命家は、バックパッカーの元祖でもあったのね。
南米の荒涼とした風景が、美しく、もの悲しい。
旅の終盤にたどり着いたハンセン病患者の治療施設、重症患者は大河の向こう岸に隔離されている。
誰も泳ぎ切ったことがないというその川を、周囲の反対を押し切り夜中に横断するシーンが、心優しい裕福な医学生青年の中に芽生えた革命家としての萌芽を象徴していて、強く心に残った。
「僕は皆が知ってるような(チェ・ゲバラの)神話には興味がない。彼がなぜ"チェ・ゲバラ"になったのかが知りたかった」(ロバート・レッドフォード)
まさに、そんな映画だった。
「旅」は否応なく人を変えていく。
そうでないものは本当の意味での「旅」ではない、のかもしれないな。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」
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