2006年3月23日
白い牙 - ジャック・ロンドン
文句のつけようのない傑作。
一行一行、かみ締めるように読んだ。
四分の一のイヌの血を持った、孤独な灰色オオカミの数奇な生涯の物語。
子供の頃に、ジュブナイル版を読んで感動した微かな記憶がある。
なぜかとても悲劇的な結末だったような思いこみがあり、終盤ではドキドキしてしまった。
読了後、あ〜よかった、かわいそうなことにならなくてホントによかった、と胸をなで下ろしました。
作者のジャック・ロンドンは、ずいぶん波乱に満ちた一生を送ったようだが、なぜこんなにイヌの生態に通じているのだろう?
かのコンラート・ローレンツが「人、イヌにあう」を著し、動物行動学者の目からイヌ、そしてイヌと人間の関係について考察したのは1953年。
この作品が発表されたのは、それからおよそ50年近くもさかのぼる1906年のことである。
偉大な小説家の洞察力とは、これほどまでに卓越したものなのか?!
実に驚くほどの正確さをもって、真実に迫る創作を成し遂げるものなのですね。
どんな優れたイヌの解説書よりも、イヌという種の本質を教えてくれる一冊である、と思う。
「白い牙」 ジャック・ロンドン 白石佑光訳
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『白い牙』ジャックロンドン著四分の一だけイヌの血を引くオオカミ(ホワイトファング)の物語です。動物モノでしかも海外作品てことでどうかなあと思いましたが物語に引き込まれて面白かったです。オオカミの習性...
ペペロンチーノBARで思うこと : 2006年6月1日 18:17
コメント
はじめまして。『白い牙』名作ですね。
イヌの生態描写がほんとに迫力ありました。
トラバさせていただきました。
投稿者 dance : 2006年6月1日 18:19
danceさん
はじめまして!
TBとご丁寧にコメントまで、ありがとうございました。
記事を拝見して知ったのですが、『国家の品格』の藤原正彦さんもオススメしているのですね、この作品。
子供の頃「名作」だと聞いていた作品って、あらためて読み直してみるとホントに素晴らしい作品だったりしますよね。まあ、当たり前なんですけど。
ちなみに、たまたま今日EGO-WRAPPIN'の新しいアルバムamazonで注文したところでした。
danceさんもお好きなんですね。
勝手に親近感.......
投稿者 かえる : 2006年6月1日 22:47