2006年9月23日
スーパーフィート - トレッキングシューズのインソール交換
いつもの日帰りハイキングではそんな経験はなかったのだが、先日の南八ヶ岳では足裏全体に痛みを感じる状態を体験した。
ぼくの所有しているダナーのトレッキングシューズは、ゴアテックスの内張(側面、上部のみ。ゴアブーティではない)、ビブラム・ソールと基本的なスペックを備えてはいるものの、一万円そこそこでゲットした登山用としては安価な部類の製品である。
幅広でフィット感も良くとても気に入っているのだが、ミッドソールはやや柔らかめ。そのため、さほど履き慣らしを経ずとも歩きやすい点はいいのだが、岩場や急勾配、重い荷物を背負っての長時間の山歩きは、得意とは言えないようだ。
かといって、年に何度もするわけではない登山のためにシューズを買い足すのも能がない(というか、金がない..........)。
そこで、以前から考えていたインソールの交換を決行することにした次第なのであ〜る。
聞いた話によると、インソール交換の効果は絶大、冗談でもなんでもなく靴本体より高価なインソールを入れているツワモノもいるというではないか。
残念ながら当方はそこまで豪快なオトコではないので、個別に熱成型するオーダーメイドではなく(アウトドアショップでよく見かけるが、これだとホントにぼくの靴より高くなってしまう.....)、数サイズに分かれたレディメイド製品の中で検討した結果、この手のブランドではメジャーな「SUPERfeet」もしくは星野企画の「Balance +」に候補を絞った。
近場では、モンベルクラブ浦和美園店で「SUPERfeet」、パワーズさいたま店で「Balance +」を扱っているようだ。都内と違って、たかがインソールの比較検討するのにも何十分も車を走らせて各店舗に出向かなければいけないところが悲しい.........
「SUPERfeet」は、自らの製品を「インソール」や「中敷」ではなくオシャレに「フットベッド」と称しているところが気に入ったので(オイオイ.....)、まずはモンベルクラブに向かった。
ところで、アウトドアショップやスポーツ用品店、家電店やコンピュータショップ、ブティックからコーヒー豆屋、酒屋に至るまで、専門店や売り場の店員をその道の専門家と勘違いして無条件に信用する人がいるが、あれはとんでもない間違いである。
多くの店員の説明は、カタログやマニュアルの受け売り(しかも過去の)で、ほとんど役にたたないことも多い。
カタログに書いてあるようなことは、調べればわかることなので、特に説明を受ける必要はないのだ。むしろ、メーカーのカタログやホームページからは得られない実質的な知識やコツをショップの店員さんには期待しているのである。
ところが、例えば大手アウトドア(あるいはスポーツ)ショップの登山靴やザック売り場には、登山経験のない店員さんというのがけっこういて、ちょっとビックリすることもある。かといって、小規模でマニアックな専門店には、不親切だったり異常に失礼だったりする輩というのがいたりして、これはこれで困る(そういう人をからかうのは個人的には好きなのだが.....)。
まあそんなわけで、扱っている商品の知識が豊富で、かつ実際の経験に基づく的確なアドバイスが出来る店員さんというは決して多くはない、というのが現状のように思われるのだ。
もっとも、店員さんの仕事というのは、在庫する商品を売って儲けることであり、それは少しも悪いことではない。知識はあっても、都合が悪い場合は聞かれないかぎり答えない、ということもあるだろうし、それを非難するのはお門違いというものだろう。
前置きが長くなったが、モンベルで「あの〜、このインソールのサイズを合わせたいんですけど...」と最初に声をかけた店員さんがまさにそういった「経験なし、基本的な商品知識もなし(ごめんね)」系の方だった。
もっとも、一番困るのはその割には浅いセールストークだけは口から出てくるタイプなのだが、この方はどうやら新人さんだったらしく、あっさりと降参して2番手の店員さんに選手交代。こちらの方は、実に素晴らしかったので、ちょっと感動しました。
数種類のタイプに大別されるインソールのコンセプトについて、成型モデルのメリット、デメリットについて、成型方法による違いについて、等をわかりやすく解説してくれた後、足裏の痛みが起こった状況とこちらの希望を説明すると、即座に望ましいインソールのタイプとその理由を挙げてくれたのだ。
サイズ選択、フィッティングも、実に細かく丁寧に行ってくださった。
結局、あれこれ試行錯誤した結果、スーパーフィートのブルーを購入することにした。
用途や効果の点から言うとグリーンのモデルがベストなのだが、サポートブリッジの形状の影響で、ヒールカップがベストフィットするサイズだと、ぼくの靴にセットした場合やや後部が浮いてしまうのだ。それならば、ピッタリと収まりヒールもフィットするブルーのモデルのほうがベターであろう、との提案だったのである。
履き比べた結果、やはりグリーンのモデルだと妙な違和感があり感触がよくない。
ぼくは、普段は店員さんのアドバイスなどは適当に聞き流して買い物を進めるイヤ〜な客なのだが、こちらの方の説明は実に納得がいくことばかりで、大いに感心感謝しながら珍しく素直に従ったというワケ。
硬質なサポートブリッジがカッコイイ(???)。
比べてみると、もともと付いていたインソールはいかにも安っぽい作りだ。
帰宅後、モーの散歩時にさっそくテストしてみた。
クッション性を高めるタイプの製品ではないので、足裏の感触はむしろ硬くなった気がするが、路面からの衝撃は軽減している、といった不思議な歩き心地。
踵がやや持ち上がっている感覚があるが、これはそのうちに慣れるのだろう。歩きづらいという気はしない。
まあ、数十分程度平坦な舗装路を歩いてもよくわかりませんが...........
早いうちに、フィールドデビューさせたいな。。。
※このブルーのモデルは、カカト部のスジがゴアフィルムを損傷させる可能性がある、ということでメーカーとしてはゴアブーティー使用のトレッキングシューズへの装着を推奨していません。
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後日談........
このスーパーフィートのインソールは、キャンプの時に干していたら、モーフィーに噛まれて使い物にならなくなってしまった。結局、日和田山をちょこっと歩いた程度しか使用できなかったのである..........涙。
その後、ショックドクターの「ウルトラ2」を新たに購入した。スーパーフィートとはややコンセプトの異なる製品だと思うが、効果には大変満足している。
機会があったら、またスーパーフィートも購入して、履き比べてみたいと思っています。
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2007/10/1 追記
さらに後日談...............
その後、オールレザーの登山靴を購入したため、そちら用として再度スーパーフィートのグリーンを購入した。
シューズ自体が異なるので厳密な比較にはならないが、衝撃吸収等における即効性はショックドクターの方が効果をダイレクトに実感できるが、かといってスーパーフィートで問題があるわけではなく、むしろその自然な履き心地は好ましく感じられる。個人的には、長時間の歩行、あるいは長期間にわたる使用を前提とするならば、スーパーフィートの方が安心感を持って使用できるというのが現時点での印象である。
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